June 01, 2008

 それが本名であろうが筆名であろうが自分の名前で本を書く、あるいは書いたものを本にするということは、当たり前だが人に読んでいただきたいという動機がそこにある。
 付け加えれば、ぼくの場合は商売であるから、出版によっていくばくかの金子をいただき生活の糧にする、という目的ももちろんあるけれども……。

 後者のことをさておけば、自費出版で友人・知人・親戚等にお配りするというような本でない限り、読んでもらう相手は不特定となる。書いた側からすれば、読んでもらいたくて書いたのだから、読んでどうだったか感想を聞きたいと思うのだが、それがなかなかできない。買ってくれたのが友人・知人で、そこから感想を聞くことはあるのだが、テキはぼくの顔も生活のありようも概ね知っているから、その感想は不特定の方々とはいささか違うだろう。

 といっても、感想文を手紙あるいはeメールなどで直接送ってこられたら、これは煩わしいと思ってしまうからわがままなのだけれども、近年はインターネットがあり、ブロクがさかんだから、もしそこに感想めいたことが書かれていれば、検索して当たることもないではない。

 ということで、『朝めしの品格』で検索してみたら、タイトルだけを見て「朝めしまで品格か」と軽く切り捨ててくれたものもあったが、いくつかきちんと読んで評してくれたものがあった。それを2つばかり拾った。

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■麻生タオ『朝めしの品格』 

『何とかの品格』という本が流行っている。一方で「偽装」という言葉も流行っている。食品偽装とか偽装請負とか、品格のない世の中になってしまったから品格を求めるのだろう。しかし、品格を云々する資格のなさそうな人が品格々々と言ってもいる。俗物性、偽物らしさを感じさせる。これは偽装の一種だろう。

 『朝めしの品格』は前者の部類だ。「朝めしのかたち」というネーミングの方が内容に合っていると思う。
 
 「めし・味噌汁・漬物+朝めしの友」を基本とする。友とは、納豆、海苔、梅干、玉子などを指す。どういう朝飯を食うか、とは生き方そのものであり、文化でもある。そういう朝めし文化の成り立ち、由来がよく解る。刑務所の朝めしから皇室の朝めしまで、エピソードも面白い。

 意外なことに昭和天皇の朝めしは洋風だった。皇太子時代、バッキンガム宮殿で朝めしを食べていると、ジョージ五世がガウン姿で入ってきて軽く背中を叩いたそうだ。その自然さ、英国王室の自由さに刺激を受け、その思いを忘れないために洋食にした、とある。たしかに、「朝めしは生き方」だ。
 
 私も朝めしは洋風である。しかし昭和天皇の洋風とは違う。私は朝めしらしい朝めしを食べていない。家を早く出て、1時間ほど前に勤務先近くの喫茶店に入り、新聞を読みながらモーニングサービスをとり、定刻に勤務先に入る。まるでベルトコンベアに乗っているような感じである。これが「生き方」と言えるかどうか。
 
 食い物としての朝めしはモーニングで代用している。しかし文化としての朝めしは省略している。昭和天皇の「オートミール」は英国文化だが、喫茶店のトースト、ゆで卵は文化とは言えないだろう。文明とは言えるかもしれない。土地々々の食文化が衰退して食文明化しているのが今の食風景だ。
 
 たまたま今日の「クローズアップ現代」は郷土食の衰退と、復活させようとする各地の試みがテーマだった。食に関する危機感は多くの人が抱いているようだ。『朝めしの品格』の著者の麻生氏もその一人なのだろう。しかし実現は難しい。地産地消という仕組み作りも難しいが、個人のレベルでの努力も難しい。麻生氏は自分で梅干しを漬けているそうだが、失敗することが多いそうだ。

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「失敗することが多いそうだ」と書かれているけれども、近年は失敗はないぞ(笑)。しかも「失敗しても梅干は使いようがある」と書いているのに……。
 このブログにはプロフィールがないのでどのような方かはわからないが、拙著を読んで柳家小三治の『ま・く・ら』を読んだりされ、また刑務所の朝めしに関する書き込みなどもあって、興味深く読ませていただいた。

 どこかのFMで、拙著を取り上げたと聞いた。探してみたら、あった。女性向け化粧品がスポンサーの女性向け番組のようだ。書いているのはパーソナリティだと思う。

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■素晴らしき日本の朝ご飯!  学びのコラム〜“品格は朝つくられる”

 2006年には『国家の品格』、翌2007年は『女性の品格』。いずれもその年を代表するベストセラーとなりましたが、ブームはその後も衰えることなくタイトルに“品格”がついた書籍は今年に入っても出版が続いています。
中でもアスキー新書から出版されている『朝めしの品格』は、思わず手にとってみたくなる一冊。なぜなら朝めしは性別も年齢も肩書きも一切関係なし!ただひたすら美味しい朝ご飯の風景を夢想させてくれる幸せあふれる内容なんです。

 冒頭には食へのこだわりを持ち続けた作家、向田邦子さんのエッセイが引用されています。人生の終わりを迎えるときに食べたいもの、いわゆる“最後の晩餐”・・・向田さんはこんなメニューを書きのこしています。
煎茶に小梅で口をさっぱりさせたあとパリッと炊きあがったごはんにおみおつけ、それに納豆、海苔、梅干、浅漬。しめは濃くいれたほうじ茶で・・・。
わが人生をふりかえりつつしみじみと頂く“最後の晩餐”に日本の朝ご飯の定番を選んだ向田さん。彼女がどんな生き方をし、よしとしてきたか・・・、人生観そのものがおのずとにじみ出ていますよね。この例をとってみても朝めしこそその人の生き方そのもの、と著者の麻生タオ氏は力説します。

 そしてもちろん美味しいだけでなく、日本の朝ご飯の定番メニューが炭水化物を中心に充分なたんぱく質と適切な脂質、ビタミン・ミネラル類から食物繊維、プロバイオティクスと呼ばれる細菌類までいかにすぐれた食の体系のもとに成り立っているのかということも教えてくれます。

 あなた自身の生き方を見つめなおして希望に満ちた朝を迎えたい、そして人としてホンモノの、すこやかな“品格”を身につけたい・・・アスキー新書『朝めしの品格』はそんなあなたにおすすめです。

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 いや、やっぱり誉められるとうれしいもんです(笑)。



(03:49)

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この記事へのコメント

1. Posted by 武道通信5    July 03, 2009 07:11

ぜひに、お知らせしたきことあり、「問い合わせ」フォームをお借りし。ご無礼つかまつる。

杉山頴男Net私塾 「武士の娘」の遺伝子を持つ女たちへ

ここまで瓦解した日本。必ずや士族(武士の遺伝子を継ぐ者)の逆襲の時、きたる。
その道筋の一つとして、女性にも武家(士族)の女の誇りを呼び覚まさなければならない。
坂東女史の『女性の品格』にみる、十把一絡げの期待される平均的女性像でない、武士の子女たる心得を学ばせたいとの願い
からである。*男性も可。
杉山頴男Net私塾 「武士の娘」の遺伝子を持つ女たちへ
<毎週金曜メールにて配信。束脩(学費)は月千円>
一方通行でなく質疑応答も可。
▲一ヵ月の講授終了後、天然理心流三鷹道場(平井泰輔第九代宗家)の稽古場(東京・三鷹)にて居合形、巻き藁切りを体験。(希望者のみ)
「Net私塾」とメールにてお寄せください。詳細を返信します。

       ――――― 附 ―――――
一、「ウチの奥さん」の語源は武士語
  告知として「草莽・杉山奮戦記」にて公刊)
<六月期>
二、坂東武者のルール「夫と妻は戦友」
三、武士の妻は、なぜ懐剣を持つのか
四、新渡戸『武士道』の女性版『武士の娘』
五、町家の娘から女侍に変身した与謝野晶子
<七期>
六、痴漢、暴漢に遭遇したら「お前にスキあった」と叱られた 
七、実家と婚家、どちらが大事は今や昔 
八、キャリアウーマンをめざした武士の娘たち 
九、結婚式マニュアルは武士がつくった    
十、武士と庶民の恋愛感はこんなに違う 

2. Posted by shoe lifts   August 19, 2013 01:57
I truly appreciate this blog post.Much thanks again. Really Great.

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