December 2007

December 24, 2007

美味い朝めし
 終わった、おわった、オワッタ――ぃ!
 何のCMか知らないが、「終わらない仕事はない」と謳っている。
 たしかにそうだ。“終わらない仕事はない”ということは、これまで何度も経験し、実感している。
 けれども、やっている途中は、“ホントにゴールにたどり着けるんだろうか?”といつも思う。とくに、終盤にさしかかり、マラソンでいえば終着点の競技場に入り、トラックを走っているあたりはホントに苦しい。

 マクロビオティックの雑誌に連載していた毎回見開き2ページのコラムを何とか1冊の本にまとめたくて、連載ページのコピーをあちこち持ち回って2年。ようやく、やりましょうと言ってくれるところに出会ったのが今年の春。カレンダーで見ると、初打ち合わせが3月だ。
 とはいえ、22回連載したそれではボリュームが足らず、倍ぐらいにしなければ1冊にならない。そんなことはぼくだってプロだものわかっていたし、連載時には書き足りないこともあったので、書き足しは望むことでもあったのだが……書き足しというのはできませんね。ほとんど書き下ろしになってしまった。その総量は、400字詰め原稿用紙に換算して320枚あまり。

 最初、夏の終わりぐらいには原稿を渡す予定だったのが、先行していたもう1冊の文庫本の作業があったりして手がつかず、その後、こういう長いもの(書籍)ばかりやっているとお金が入るのはず――――っと先のことで飢えてしまうので、直近でお金になりそうなちょっとした仕事があったので引き受けたのだが、これも短いものではなく160枚ぐらい書かねばならなくて、結局1カ月ほど取られてしまい、ようやく取りかかったのは9月に入ってからだったろうか。
 ところがメールのやりとの記録を見ると、原稿の第1弾を入れたのは10月の終わり。
それから何回かに分けて書き上げた分を送り、トラックに入って書きあぐね、最終ともいえる分を送ったのが、つい先週なのだ。
 何と、最初の打ち合わせから9か月、書き始めてから3か月半、入稿し始めて2ヵ月というスロー――――な仕事になってしまった。
 この間、ブログなど顧みる余裕もなし。

 編集者だから、他人の本をつくるのはやっていることだけれども、自分100パーセントの本を書くのは今回で2回目。それだけにやりがいはもちろんあるが、苦しい(作家のようになれていないせいか?)。
 それが、ほとんどようやく終わった。ようやく、というのは手直しなどあるからだが、これからは楽しみの部分だ。たぶん、この正月はゲラ直しとなるだろうが、うまくいけば2月には書店に並ぶらしい。

 かたちは新書となる。
 雑誌連載時のタイトルは『美味い朝めし』だった。
 が、編集部(というより編集者)が付けたタイトルは『朝めしの品格』。ウウム……。
 日本人の朝めしについて考察したものです。

(06:29)